近年、アウトドアや旅行のスタイルとして「車中泊」が注目を集めています。
車中泊は、宿泊施設に泊まることなく自由に移動でき、自然を満喫する素晴らしい方法。
その中でも、車中泊に最適な車として人気なのが、ミニバンやバンタイプの車両です。
特に、セレナやキャラバンのような車両は広い車内空間が特徴で、車中泊をより快適に楽しむためにカスタマイズすることも可能。
本記事では、セレナとキャラバンの車中泊仕様について、どちらがより広大なスペースを提供できるか、メリット・デメリットを比較しながら解説していきます。
また2025年現在、日産東京限定で発売されているセレナ「どこでも車中泊キット」についても価格やキット内容などについて、ご紹介させていただきます。

セレナを車中泊仕様にするメリット
セレナは、コンパクトなミニバンでありながら広い室内空間を提供しており、車中泊にも適しています。

C28セレナの新車価格
グレード | 価格 |
ハイウェイスターV ガソリン2WD | 3,269,200円 |
e-POWERハイウェイスターV ガソリン2WD | 3,686,100円 |
e-POWER LUXION 2WD | 4,798,200円 |
セレナマルチベッドの価格
グレード | 価格(円) |
AUTECH ガソリン2WD マルチベッド | 4,282,300 |
XV ガソリン2WD マルチベッド | 3,659,700 |
ハイウェイスターV ガソリン2WD マルチベッド | 3,840,100 |
e-POWER XV 2WD マルチベッド | 4,070,000 |
e-POWERハイウェイスターV 2WD マルチベッド | 4,257,000 |
セレナを車中泊仕様にするメリット
- 広い車内スペース
セレナは、フロントにエンジンを搭載しているため、スッテプ位置が低く抑えられ乗り降りが非常に楽。また、後席がスライドやリクライニング可能で、車中泊時にはフラットに近いスペースを作り出すことができます。さらに、車内の天井が高いため、圧迫感なく寝ることが可能。 - 家族連れに最適
セレナは乗用車で3列シートがあるミニバン。つまりファミリーカーとして使え家族での車中泊にも適しています。乗り心地が良く、先進安全技術が取り入れられプロパイロットやe-POWER搭載モデルも選択可能。

- カスタマイズのしやすさ
セレナは非常に人気のある車種であり、車中泊向けの専用カスタムパーツやアクセサリーが豊富。東京日産では、ディーラーで車中泊時の段差解消マットやサンシェードなどのオプションパーツ「どこでも車中泊キット」の設定があります。税込み200,9000円とお手頃価格で、セレナを車中泊仕様に変身。このように社外品でもカスタムパーツが充実しており便利アイテムも多く販売されています。

セレナ「どこでも車中泊キット」
お手頃価格の価格200,9000円(税込)

日産東京限定「どこでも車中泊キット」の構成パーツ
オプション品 | 寸法(mm) | 数量 |
ベッドマット | 930×610 | 4 |
アシストマット | 500×400×140 | 2 |
サードシートマット | 1150×400 | 1 |
ガラスサンシェード | 全面 | 10 |
セレナマルチベッド仕様じゃなくてもこれで十分かも!?
ベッドメイクの方法
- ヘッドレストを外しフルフラットへ
- セカンドシートの段差解消にアシストマットを敷く
- サードシートの段差解消にサードシートマットを敷く
- ベッドマットを4枚敷く
- サンシェードを装着

つまり、シートを倒した時のセレナのシートは段差がかなりあり、フルフラットといっても、とても寝れません。

アシストマットとサードシートマットはこの段差を解消するもの。
装着して初めて平らになります。

200,9000円という価格も安価で、小さなお子様のいる家族には、車中泊入門用としてピッタリ。
アウトドアを目的とした車中泊はもとより、もしもの備えとした防災面にもプライベート空間が作れるメリットは大きいです。
対応車種は基本的にC28セレナ8人乗り仕様のスマートマルチセンターシート付車となります。
ガソリン車、e-POWER車も8人乗り仕様であれば対応可能。
当然、C26やC27セレナにも装着できそうですね!
セレナを車中泊仕様にするデメリット
もちろん、セレナを車中泊仕様にする際にはいくつかのデメリットもあります。
- 車両サイズの問題
ミニバンとしては十分な広さを提供しますが、それでも1BOXであるキャラバンに比べるとスペースに限界があります。特に長期間の車中泊や、大人数で寝る場合には、少し窮屈に感じるかもしれません。また、実はキャラバンよりも車両サイズが大きいため、都市部の狭い駐車場では不便になることがあります。 - 荷室スペースの問題
そもそもセレナは荷室スペースが狭く、旅行では8名乗車であっても8名分の荷物は積めません。つまり車中泊となるとシュラフなど多くの荷物が必要となるため、大人2人と子供一人が限界。実際、車内にあまり多くの荷物を積み込むと、サードシートを跳ね上げる工夫も必要となり、そうなると乗車定員は5人となり、トランクルームからはみ出して積んだ荷物が邪魔になるのでフルフラットにならない問題が出てきます。 - ベッドメイクの時間的コスト
セレナで車中泊するためには、シートをフルフラットにする作業を行うことが必要です。つまり「ベッドメイク」。これは、キャンピングカーのように簡単にはいきません。段差を解消し、シートをフルフラットにするため、シート間のスペースや前席のスペースに荷物を移動しないとフルフラットに出来ないのです。このような一定のコストが毎回かかるため、時間を考慮する必要があります。また、子供を外で待機させたり、場合によっては外に荷物を出した方が速いのですが、雨の日は出来ないので、子供と荷物を移動させながらの作業となります。
段差解消マットは社外品でも探せます。
さらに広いスペースを求めるなら「キャラバン」
セレナが十分に広い車内空間を提供している一方で、さらに広いスペースを求めるなら、日産の「キャラバン」が一つの選択肢です。

キャラバンは商用バンとして設計されたキャブオーバー車であり、FFベースのセレナよりもさらに広大な車内スペースを誇ります。

- 広大な室内空間
キャラバンはその名の通り、商用バンとして荷物を多く積むことを前提に設計されているのは周知のとおり。そのため荷室部分のアレンジが自由自在で広大なスペースになります。キャラバンマルチベッド仕様のように、床張りとベッドキッドを架装することも可能で、車中泊のために広いスペースを確保することができます。セレナに比べてベッドメイク不要の常設ベッドがあることが最大の魅力。 - 広さがもたらすメリット
キャラバンの広さを活かすことで、車内にキッチンやベッド下の収納など、より快適に過ごすための装備を追加しやすくなります。また、長期間の車中泊にも対応できるだけの広さがあるため、アウトドアや遠距離の車中泊旅行にも最適。 - キャラバンならではの便利機能
商用バンとしての耐久性や、そもそも1tの荷物を積める積載能力はミニバンには無い魅力。このことは車中泊だけでなく、趣味のクルマとしての活用も有効で、引越などの用途にも便利です。
キャラバンの荷室は大きなキャンプ道具や、スキーやサーフィン車中泊などに必要なアイテムを積む際にも、その広さと収納力が役立ちます。

つまり趣味+車中泊といった使い方が可能。
キャラバンを車中泊仕様にするデメリット
キャラバンの広さは魅力的ですが、その分いくつかのデメリットも存在します。
- 運転感覚の違い
キャラバンはセレナに比べて、着座位置が高いです。理由はキャブオーバー車というエンジン上に運転性がある構造の違いであり、運転にはコツがいります。具体的には運転席から後ろが長くなるので内輪差に対する注意が必要。特に狭い道や都市部での運転には慣れないと戸惑います。コツとしては乗用車よりも遅いタイミングでハンドルを切ると良いでしょう。このような乗用車とは違う運転感覚という点はデメリットと言えるでしょう。 - 燃費の低下
キャラバンはセレナよりも車体が重く、空気抵抗も大きいため、燃費が悪化。長距離走行時において、ガソリン代の負担が増えることを考慮する必要があります。また、キャラバンにはディーゼルエンジン車の設定もあります。しかし車体本体の価格が70万円近く高くなるので考えどころ・・・しかし月々の燃料代を抑えるならディーゼル車という選択肢もあります。 - 毎年車検
商用車であるキャラバンは4ナンバー登録。4ナンバー車の車検サイクルは新車2年で以降毎年車検となる。5年乗ったとして乗用車であるセレナでは、3年目が初めての車検で以降2年ごととなることから、セレナが2回目の車検が訪れたタイミングで、キャラバンは4回目の車検を迎えることとなります。キャラバンマルチベッド仕様は、ナンバー取得時に架装状態で登録するので、ベッドキッドはそのままで車検を通すことが可能。つまり、あまりカスタムし過ぎると、毎年元に戻す必要があることがデメリットとなります。


キャラバンマルチベッド仕様の価格
グレード | 価格(円) |
プレミアムGX 2Lガソリン2WD マルチベッド仕様 | 3,653,100 |
プレミアムGX ディーゼル2WD マルチベッド仕様 | 4,320,800 |
グランドプレミアムGX 2Lガソリン2WD マルチベッド仕様 | 3,850,000 |
グランドプレミアムGX ディーゼル2WD マルチベッド仕様 | 4,517,700 |
プレミアムGX ディーゼル4WD マルチベッド仕様 | 4,623,300 |
グランドプレミアムGX ディーゼル4WD マルチベッド仕様 | 4,820,200 |
セレナとキャラバンを選ぶポイント
セレナとキャラバン、どちらを選ぶかは、車中泊の目的や使用する環境によって異なります。
セレナ
- 家族連れや、プロパイロットは便利で長距離運転で使用することが多い方にオススメ。
- 乗り降りのしやすさや乗用車感覚の運転は、取り回しも楽。
- 車中泊のスペースが十分に広いが、キャラバンほどの広さは求めていない場合に最適。子供がまだ小さいケース等。
- セレナにも「マルチベッド仕様」の設定がありますが、安価に車中泊を始めてみたいなら「どこでも車中泊キット」で十分。
キャラバン
- より広い車内空間を求める方や、長期間の車中泊を計画している方にオススメ。
- 大きな荷物を積む予定がある場合や、常設ベッドを求めている方に向いています。
- 趣味+車中泊という使い方を考えているのであれば最適。釣り道具やサーフボード、スキー板といった車中泊以外の荷物もある場合に有効。
- 簡易キャンパー「マルチベッド仕様」の設定あり。

ボディ寸法 | キャラバン | セレナハイウェイスターV |
全長(単位mm) | 4695 | 4765 |
全幅(単位mm) | 1695 | 1715 |
全高(単位mm) | 1980 | 1870 |
実はセレナもキャラバンもボディサイズには差がありません。
まとめ
セレナとキャラバン、どちらも車中泊に適した車種ですが、それぞれに特徴があります。
セレナは、乗り心地もよく乗り降りもしやすいので家族連れや都市部で使用するには最適な選択肢です。
対して、キャラバンは、常設ベッドの架装が可能で、より広い車内空間が魅力。
サーフィンやウィンタースポーツ、釣りといった趣味があり、趣味+車中泊を考慮した場合に優れた選択肢となります。

自分の車中泊スタイルに合った車を選ぶことが、快適な車中泊ライフへの第一歩です。
最後まで読んで下さりありがとうございます。
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よくある質問(FAQ)
Q1: セレナとキャラバンの車中泊スペースの違いは?
セレナも広い空間を提供しますが、車中泊には都度ベッドメイクが必要。キャラバンはさらに広く、常設ベッドが可能。つまり寝るスペースがゆったりしており、長期間の車中泊にも対応できます。
Q2: 車中泊専用のカスタマイズパーツはどこで購入できますか?
セレナやキャラバン専用の車中泊用パーツは、車両メーカーのアクセサリーパーツや専門店、オンラインショップで購入できます。
Q3: キャラバンの燃費はどうですか?
キャラバンは大型の商用バンであるため、セレナより燃費は劣る場合があります。長距離走行では特に燃費に注意が必要です。
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