日産キャラバンは歴史が長く昔から、多くのビジネスマンや家族に愛される定番の1BOX車です。
特に現行モデルのE26キャラバンは、たとえ貨物車のバンであっても高グレードであれば、ミニバンとしても全然使える仕様です。
中古車市場でも人気が高く、タマ数が豊富で価格帯も広く手ごろな価格で購入できるモデルも存在することから、趣味のベース車として中古車を選ぶことも可能。
そこで、日産キャラバンの簡易キャンパー仕様に乗っている現役キャラバン乗りの私が、キャラバンの中古車を選ぶ際に注意すべきポイントと、特に注意が必要なディーゼルエンジン車の中古車選びについて紹介します。
あなたもキャラバンを購入し、バンライフを始めてみませんか?
モデルの選択
中古車を選ぶ際には、どのモデルを選択するか重要です。
オススメのE26キャラバンのモデルは、大きく分けて1型~3型に分かれます。
- 1型は2012年6月~
- 2型は2017年7月~
- 3型はガソリンエンジンモデルが先行して2021年10月~
- 3型ディーゼルエンジンモデルが2022年2月~
自動ブレーキシステムは、2015年発売の1型モデルに商用車として初めて採用され話題になりました。
E26キャラバンは1型であっても充実の装備。
それぞれに、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、ディーゼルでは4WDも選択可能。
グレードも各種ありDX、VX、プレミアムGXさらに3型ではグランドプレミアムGXグレードが新設されました。
ファミリーカーとしてキャラバンを検討されているのであれば、後部座席シートも分厚くヘッドレスト付きで、装備が充実しているプレミアムGXグレード以上をおススメします。
3型からは「原点回帰」それまでのNV350キャラバンからNV350が外れて【キャラバン】となりました。
ボディサイズも3種類
キャラバンボディ形状 | 全長×全幅×全高(mm) |
標準 | 4695×1695×1990 |
標準ハイルーフ | 5080×1695×2285 |
ワイドハイルーフ | 5230×1880×2285 |
- 5ナンバーサイズのナローボディ
- ナロー幅のハイルーフロングボディ
- ワイドロングボディ
1ナンバー・2ナンバー・4ナンバー・5ナンバーから選択可能。
車体用途 | ナンバー | 駆動方式 | ボディ形状 | 乗車定員 | グレード | エンジン |
バン | 4 | 2WD | ナローボディ | 6 | DX | 2Lガソリン |
バン | 4 | 2WD | ナローボディ | 6 | VX | 2Lガソリン |
バン | 4 | 2WD | ナローボディ | 5 | GX | 2Lガソリン |
バン | 4 | 2WD | ナローボディ | 5 | GX | 2.4Lディーゼル |
バン | 1 | 2WD | ナローハイルーフ | 6 | DX | 2.5Lガソリン |
バン | 1 | 2WD | ナローハイルーフ | 6 | DX | 2.4Lディーゼル |
バン | 1 | 2WD | ワイドボディハイルーフ | 6 | DX | 2.5Lガソリン |
バン | 4 | 4WD | ナローボディ | 3 | DX | 2.4Lディーゼル |
バン | 4 | 4WD | ナローボディ | 6 | VX | 2.4Lディーゼル |
バン | 4 | 4WD | ナローボディ | 5 | GX | 2.4Lディーゼル |
バン | 1 | 4WD | ナローハイルーフ | 9 | DX | 2.4Lディーゼル |
バン | 1 | 4WD | ワイドボディハイルーフ | 6 | DX | 2.4Lディーゼル |
ワゴン | 3 | 2WD | ナローボディ | 10 | DX | 2.4Lディーゼル |
ワゴン | 3 | 2WD | ナローハイルーフ | 10 | GX | 2.5Lガソリン |
マイクロバス | 2 | 2WD | ワイドボディハイルーフ | 14 | GX | 2.5Lガソリン |
マイクロバス | 2 | 2WD | ワイドボディハイルーフ | 14 | DX | 2.5Lガソリン |
簡易キャンパーや車中泊仕様のベースにするなら、荷室が広く自由にカスタムができる4ナンバーがおススメです。
走行距離を確認
中古のキャラバンは、まず走行距離を確認することが大切です。
日産キャラバンは、商用車として使われることが多いため、走行距離が多い車が多く出回っています。
走行距離が多い車は多走行車、または過走行車と呼ばれ、故障やトラブルが発生するリスクが高くなるため、走行距離が少ない車を選ぶことをおすすめします。
キャラバンでは10万㎞を超えても十分走れますが、それまでのメンテナンスによっては高額な修理が必要になる可能性があるため、可能であれば5万㎞くらいの中古車を探すことをおススメします。
また、年式も重要で高年式ほど程度が良いのはもちろんですが、それだけ相場が高額となります。
査定比較.com走行距離の目安は1年で1万㎞とされています。
つまり5万㎞では5年落ちが目安。
例えば5年で10万kmでは多走行車とよばれ、エンジンが酷使されていた可能性があり、購入後に修理代がかさむ可能性があります。
また、逆に年式のわりに走行が少なすぎる車両も要注意です。
距離に関係なくタイヤやバッテリー、その他ゴム類は必ず劣化します。
つまり、仮にタイヤの溝が十分に残っているように見えても経年劣化によって、ひび割れが発生していれば、購入後にすぐ交換が必要となります。
エンジンは常に始動させている方が、調子を維持できます。
全然エンジンを始動させていなかった放置車両では、エンジン内のオイルがオイルパンに落ち切ってしまっているため、クランクケース内がカラカラになりベアリング等の金属部分に錆が発生したり、エンジン内部にトラブルを抱えてしまっている可能性もあります。
燃料はあまり知られていませんが、ガソリンも軽油も酸化により劣化します。
つまり酸化によって劣化してしまいインジェクター等、燃料系をつまらせてしまうことがあります。
このように、走行距離が少なすぎる車両もトラブルを抱えている可能性もあるのです。
エンジン掛かるけど吹けきらない気がする・・・
このような場合は実は燃料系の不具合が発生している可能性がありますが、「こんなものかも?」なんて気がつかない人もいるかもしれん。
ニコノリ車両の状態をチェック
中古車を選ぶ際には、車両の状態を確認することが重要です。
特に、キャラバンのような商用車は、荷物を運ぶことが多いため、床や荷室の状態を確認することが大切です。
床や荷室に傷や凹みがある場合は、荷物を積んだ際に問題が発生する可能性があるため、注意が必要。
また、ボディにも傷や塗装の剥がれ、サビがある場合は、錆びが進行する前に修理する必要があります。
そしてエアコンも不具合が発生する可能性も高いので、購入前にエアコンの効きを確認しましょう。
コンデンサー不良では、10万円以上修理代がかかる可能性もあります。
エンジンの異音をチェック
耳を澄まし、エンジンの音にも注意を向けましょう。
日々のメンテナンスが重要で、エンジンオイル交換を怠った車両ではエンジンから異音が発生していることが良くあります。
耐久性重視で作られているキャラバンは、タイミングベルトではなくタイミングチェーン方式です。
エンジン型式 | 機構 | ベルト方式 |
QR20DE | ガソリン | タイミングチェーン |
QR25DE | ガソリン | タイミングチェーン |
YD25 | ディーゼル | タイミングチェーン |
4N16 | ディーゼル | タイミングチェーン |
しかし高耐久であるタイミングチェーンの劣化も、オイル交換の頻度に直結します。
つまり、オイル交換を怠った車両ではエンジン内部にスラッジ(煤)が溜まり、潤滑不良を起こしている可能性があります。
タイミングチェーンはエンジン内部でエンジンオイルによって潤滑しているため、摩耗によるタイミングチェーン交換では、エンジンを分解する必要性があり修理代が高額になる場合も。
実際そのような状態では、おそらくエンジン内部もガタガタで、焼き付く寸前かも知れません。
ガソリン車であれば、音は静かなので異音は分かりやすいのですが、ディーゼル車はもともとガラガラ音がするので判断が難しいところはあります。
素人でもチェックしやすいのが、エンジンオイルの注油口からエンジン内を見て汚れていないか?
また注油口キャップの内側も見てみましょう。
キャップの内側にスラッジがベットリでは、メンテナンスが疎かだった目安になります。
そのエンジンは怪しいと判断しましょう。
エンジンオイル交換の頻度はエンジン寿命に大きく影響しています。
車検の有無
中古車を選ぶ際には、車検の有無を確認することも大切です。
しかし日産キャラバンはモデルにより4ナンバーの貨物車であれば毎年車検ですので、あまり車検時の残りは気にしなくても良いでしょう。
また、車検が切れている車は、再度車検を受ける必要があります。
ニコニコ車検3・5ナンバーの乗用車モデルであれば、2年車検となるので車検の残りの月数を気にした方が良いでしょう。
車検が残っている車でも、車検までの期間が短い場合は、すぐ次の車検が訪れてしまい車検費用が発生してしまうので注意が必要です。
メンテナンス履歴(記録簿の有無)
中古車を選ぶ際には、記録簿(メンテナンスノート)を見てメンテナンス履歴を確認することが重要です。
メンテナンスが適切に行われている車は、仮に多走行車だとしても長く安心して乗ることができます。
特に、エンジンオイルやブレーキパッドなど、定期的に交換する必要がある部品は、適切なタイミングで交換されていることが重要です。
メンテナンス履歴が明確な車を選ぶことで、故障やトラブルのリスクを軽減することができます。
特にディーゼル車にトラブルが多い傾向にあります。
- 平成24年~平成27年に製造されたクリーンディーゼル車はブレーキ踏力をサポートするブレーキーブースターのリコールの経緯がある車両です。
- オルタネーターのリコールもありこれも平成24年~平成30年の車両が該当しています。ベアリングの強度不足によって破損または固着の危険性があります。
- 平成29年~令和元年にはトルクコンバーターのリコールもあります。
- 令和元年にはPTCハーネスのコネクター部が発熱し火災に至るトラブルによるリコールもあり、平成24年~平成31年の寒冷地仕様および4WDディーゼル車が該当しています。
- バキュームポンプでのホースの耐久性に問題がありオイル漏れによってエンジンの焼き付きの事例があり、リコール修理の確認などそのような個体をつかまないようにする注意が必要。
特にディーゼル車は高額な部品が多く、インジェクターやコモンレールも消耗品です。
コモンレールとは1型~Ⅱ型のディーゼルエンジンYD25DDTiに採用されている機構で、燃料噴射を直噴で行うデンソーのコモンレールシステムにより高圧ポンプで加圧した燃料を蓄圧パイプに溜めておきます。
この蓄圧パイプをコモンレールといいます。
この蓄圧によってエンジンが低回転でも高圧の燃料噴射が可能。
燃焼効率が上がるのでPMの減少につながる機構です。
燃料噴射軽も高額な部品が多いので、購入後にエンジン修理に30万円も修理代がかかってしまった・・・
何てことにならないよう、記録簿を見てきちんと改善措置を受けたか、または修理箇所の確認をしましょう。
逆に記録簿の無い車両は、敬遠した方が良いといえます。
キャラバン中古相場
キャラバン中古価格の相場についても注意する必要があります。
日産キャラバンの中古車市場
- 2012年以降の1型モデルでは50万円~
- 2017年以降の2型モデルでは150万円~
- 3型以降では200万円~
と相場も高い傾向にあります。
相場より極端に安い車両は、多走行車や事故車の可能性が高くなります。
しかしキャラバンは人気が高いため、価格帯も幅広く、同じ年式・走行距離の車でもモデルやグレードによって価格が異なることがあります。
中古相場でも最安より50万円ほど高いかも知れませんが、内装や装備がより充実したDXグレードよりもプレミアムGXグレードをおススメします。
また、キャンピングカーベースとしてご自分でカスタムする予定であればDXグレードでも良いかと思います。
価格が安い車ほど、車両の状態が悪かったり、メンテナンス履歴が不明確だったりする可能性があるため、注意が必要。
ガリバーの中古車探しのエージェント中古車を選ぶ際には、価格だけでなく、車両の状態やメンテナンス履歴などを総合的に考慮して、適切な価格を判断することが大切です。
DPFについて
2003年に国によって自動車排出ガス規制によりマフラーにDPF(ディーゼル微粒子補集フィルター)を付けることが義務化されました。
これによりNox(窒素酸化物)、PM粒子状物質の発生を低減させます。
構造はDPFフィルターにより軽油の燃えカス(これを煤(すす)PMと言います)を補集し、再燃焼させることによってクリーンな排気ガスにさせる装置です。
DPF内は600℃もの高温となり煤を燃焼させます。
一定量の煤が溜まるとエンジンの回転が上がり自動的にDPFの内部燃焼を行い再生させます。
自動再生中にエンジンを切ってしまうと詰まりの原因となるので注意が必要。
しかし手動再生によって強制的に燃焼をさせる事も可能ですので、速やかにインジケーターランプが点灯したらこの動作を行いましょう。
この警告を無視するとエンジン制御が働き、修理工場での修理が必要になってしまいます。
DPF付のクリーンディーゼル車はこのDPFの目詰まりに注意しましょう。
DPF内に煤が埋積すると内部の網が目詰まりを起こします。
エンジン警告灯でお知らせがあり、強制再生で燃焼をさせますが、再生間隔が短くなった場合は交換が必要となるからです。
中古でキャラバンを購入した場合、このDPFの交換が必要となる場合もありますが、DPFはおおよそ15万円と高額となります。
尿素SCRとは
2022年にモデルチェンジした新型キャラバンのディーゼルエンジンは、平成30年排出ガス規制に対応した尿素SCR搭載のクリーンディーゼル車となります。
構造はDPFフィルターはと同様で軽油の燃えカスを補集しますが、燃焼には尿素(これをアドブルーといいます)再燃焼させることによってクリーンな排気ガスにさせる装置です。
新型エンジンは三菱製の4N16で、尿素SCRシステムを採用しているため、尿素水「AdBlue」アドブルーの定期的な補充が必要となります。
目安としては1000㎞に1Lの割合での補充となります。
尿素といってもアドブルーは無味無臭の液体です。
3型の新型キャラバンアドブルーのタンク容量は満タンで11.4L。
補充の目安は11000kmとなります。
注入口は助手席側スライドドア部に新設されています。
アドブルーが無くなると始動ができなくなるので注意が必要。
警告が出たら速やかに補充をしましょう。
この3型モデルの中古はまだ球数が少ないですが、尿素SCR非搭載モデルと比べて燃費や出力が飛躍的に向上しています。
三菱製4N16型新型ディーゼルエンジンは燃費も良くトルクもあり、更に音も静かで速いです!
尿素タンクや噴射システム、酸化触媒、排気漏洩防止装置とうの部品点数も増えているので、将来的に必要な交換部品が多くなることは事実です。
しかし、これまでの悩みであったDPFのつまりの問題もかなり軽減されるというメリットもあります。
【便利!】欲しい車がきっと見つかる!ガリバー中古車ご提案サービスもしディーゼル車でお考えであれば中古車相場も高かも知れませんが、高年式である尿素SCR搭載モデルの新型キャラバンで中古を検討されてはどうでしょう?
まとめ
以上、日産キャラバンの中古車選びのポイントとディーゼル車購入の注意点について紹介させて頂きました。
実際の中古車選びでは、車両の程度は様々です。
予算もあるとは思いますが、走行距離や車両の状態、車検の有無、メンテナンス履歴、価格などをしっかりと確認して、安心して乗れるキャラバンを選ぶようにしましょう。
ガソリン車であればそこまでシビアに考える必要はありませんが、ディーゼルエンジン車ではクルマ選びを失敗すると、高くつく可能性もありますので、特に注意が必要。
キャラバンのディーゼルエンジンのパワーと燃費は確かに魅力。
ガソリンエンジンでは静粛性が優位となりますが、上り坂では明らかなパワー不足を感じます。
今回の記事によって、キャラバンの中古車を検討されているあなたへ、参考にして頂けたら幸いです。
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最後まで読んで下さりありがとうございました。
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