ボディ補修におけるスーパー・スモールリペアサービスとは、ボディのキズやヘコミに対して、大掛かりな内張を剥がして叩いてからの板金ではなく、軽板金と言われるもの。
内張りは剥がさず、外側からのみボディ補修を行うもの。
逆にいうと軽板金は、従来の内側から叩いての修復を必要とするような、本格的な板金を必要とする大きなヘコミや傷には対応できません。
日産のスーパー・スモールリペアサービスでは、数センチから70センチ程度までのキズやヘコミに対応できます。
内張りを剥がさないので、工程が短縮できるため、作業が短時間で完了するだけでなく工賃も従来の板金塗装に比べて安いのが魅力。

仕上がりも、きちんとした業者であれば素人目には分からないほどキレイに修復できます。
今回はそんなスーパー・スモールリペアサービスを利用して、愛車キャラバンの運転席側スライドドアの傷を修復したため、その工程も含め皆さんにシェアしたいと思います。
この記事を読むことによって、インテリジェント補償についての理解と、スーパー・スモールリペアサービスの作業工程について学ぶことができます。

インテリジェント補償とは
日産インテリジェント補償は、日産のディーラーで任意保険に加入した際に、無償で付帯されてくる保険。
- スーパー・スモールリペアサービス
- 事故現場かけつけサービス
- アクシデントロードサービス
- プレミアムガラス交換
- プレミアムドアミラー交換
といった保険が付帯されており、今回私が利用したのがスライドドアにある30cmのキズとヘコミに対し「スーパー・スモールリペアサービス」という補償です。
スーパー・スモールリペアサービスには
- こすっても安心リペア
- いたずら・盗難リペア
- ガラスリペア
といった3つのリペアに対応。
ボディへの気になる小さなキズやヘコミ、飛び石によるガラスのキズの補修まで簡易的なリペアに幅広く補償。

例えば「こすっても安心リペア」では、バンパーの小さな擦りキズで、見積額が20,000円までの修理なら、2,000円という負担金で補修修理が可能な保険。
事故証明を取る必要なく、自己申告でいいのが魅力。
つまり「自分で壁に当て、こすってしまった・・・」
そんな時にも気軽に使える保険。
但し、インテリジェント補償という保障制度を利用する場合は「いたずら・盗難リペア」での修理代が税込み50,000円以内に限るという条件があります。
スーパー・スモールリペアサービスでは30cmまでのキズであれば税別45,000円です。

つまり税込みだと49,500円になるため、50,000円以内の要件を満たします。
日産インテリジェント補償は50,000円以内のスーパー・スモールリペアサービスにしか補償対応できません。
よって、40cmのキズでは税込み59,400円の修理となってしまうためスーパー・スモールリペアサービスでの修理は可能ですが、日産インテリジェント補償は使えないことになります。
インテリジェント補償に関しては別の記事で紹介していますので詳細はこちらをご覧ください
補修費の支払い額は31,500円
今回のケースでの支払負担額の計算
内容 | 修理代金 | 補償金額 | 自己負担額 | 支払額 |
金額 | 49,500 | -20,000 | 2,000 | 31,500 |
修理見積49,500円に対し補償額上限20,000円から自己負担額を差し引いた金額が18,000円で49,500円-18,000=31,500円が支払額になります。

つまり30cmのキズが31,500円で直るのであれば、自己負担額と追い金は発生しますが「日産インテリジェント補償」を使った方が良いでしょう。

リペアの工程について
リペア修理の工程について、施工業者の方にブログ記事に載せたい旨をお伝えすると、快く取材に応じてくれました。
実際に作業しながら邪魔にならないよう配慮し、説明をしてもらいながら作業をして頂きました。
下地作り
1.ヤスリ掛けをして下地を作ります

2.脱脂しながら塗装面の汚れを落とします
3.ヘコミ部分にパテを盛ってヘコミキズを埋めます

4.パテを赤外線ランプで乾燥させます

5.ヤスリ掛けをして平らにならし
6.下塗り作業としてサフェーサーを吹きつけます

7.外線ランプで乾かします

8.ヤスリで研磨をして平らにして

サフェーサーを吹くことにより、小さな穴や窪みを発見することができます
5~8の工程を数回行ったのち、いよいよ本塗り
本塗り作業
クルマには純正カラー番号があり、それを基に塗料を作ります。
カラー番号 | カラー名称 |
KAD | ダークグレーメタリック |
BW5 | ダークブルーパール |
CAS | インペリアルアンバーパール |
GAT | ミッドナイトブラック |
K23 | ブリリアントシルバーメタリック |
KBY | ステルスグレー |
QAC | ピュアホワイトパール |
QM1 | ホワイト |
私のキャラバンのカラーコードは「KAD」、ダークグレーメタリックの純正色を調合

色合わせも車種によっては塗装が劣化している場合もあり、その経年劣化に合わせて塗料を調整。
まさに熟練の技!
9.塗装がかからないよう、ボディ全体をしっかりと養生します

10.本塗りとして塗装を吹きつけ

11.赤外線ランプで乾かします
12.クリア塗装を吹きます

13.再び赤外線ランプで乾かし

14.ヤスリ掛けをして平らにならします

10~14の本塗りと乾燥と研磨の工程を何度も繰り返していきます
サフェーサー処理がうまくできていないと、うまく塗装がのらないのでサフェーサーの処理が重要。
修復した所が浮いて見えてしまう場合は、このサフェーサー処理がキチンとできていないことが原因とのこと。

ヤスリ掛けも荒い目のヤスリから細かい目のヤスリまで液体のコンパウンドを使い、それぞれに合わせたバフに交換し、ハンドポリッシャーで丁寧に仕上げます。

見ていて気の遠くなるような作業ですが、手際よく繰り返しておりました。
こんなに丁寧にやって下さるとは仕事とはいえ・・・
「感謝」ですね。
15.養生したテープを剥がし清掃

16.完了

最後に洗車もしてくれました。
今回の補修の難易度
今回の補修の難易度
★★★★☆
スーパー・スモールリペアサービスとは言え、かなり難易度は高めとのこと。
今回のキャラバンでは、傷の範囲が予想以上に広く結果的にスライドドアを全塗装になりましたが、その分、仕上がりもよくキレイに補修されています。

時間は午前10時から始まり15時に完了したので、5時間ほど掛かりました。
難易度の低い補修、例えば数センチのヘコミが無く小さな擦りキズであれば、それこそ1~2時間もあれば出来てしまうそう。
キャラバンのスライドドア補修は面が広く難易度的にもかなり高い方で、ドアが大きな車両は、「ぼかし」を入れるのが難しいそうです。
つまり、中途半端に塗装すると、色の違いが出てしまうとのことで、業者によっては「ぼかし」を使った部分塗装しかしませんが、その業者の方は色の違いが出るという理由から全塗装を選択したとのこと。
色の難易度に関しては、やはりシルバー系は明るさの調整が難しいそうで、他に黄色や赤色の塗装も難易度が高いと、その業者の方は言っておりました。
近年多いスモールリペアサービス
最近のクルマは衝突安全ボディや軽量化といった視点から、一昔前のクルマより鉄板が薄くなっているそうです。
いくら商用車とは言えキャラバンも例外ではありません。
昔のような固い鉄板であれば、叩いて戻すことも可能でしたが、最近の車両は鉄板が薄いので、伸びてしまい戻せないケースもあるとおっしゃってました。

つまり、鉄板を大きくへこましてしまった場合は補修が利かず、ドア交換になるケースが多いのが実情。
結果的に、最近のクルマではスーパー・スモールリペアサービスのような、軽板金が割と主流となっているそうです。
もちろん、旧車であれば相変わらず叩いて戻してからの板金も行っているとのこと。
まとめ
いかがでしたか?
今回は自分のクルマである愛車キャラバンのスライドドアのキズ&ヘコミ補修を、日産インテリジェント補償を使い行いました。
結果的にドア全塗装となりましたが、サフェーサー処理も上手で、どこにヘコミがあったかも分からないくらいキレイに仕上がりました。
聞くと施工業者の方は、外部の専門業者の方とのことです。

ディーラーの営業マン曰く、熟練の技術が必要な難易度の高い修理はいつも、そこの業者様にお願いしているとのこと。
仕事が丁寧で忙しい人なので、なかなか予定が取れないそう、私も予約から実際修理まで1ヶ月間も待ちました。
今回、実際に作業工程を見せて頂き、本当に丁寧な作業を見て納得することができました。

スモールリペアと言われる軽板金は一日平均で2~3件しているそうですが、やはり今回のキャラバンのように熟練の業者が作業しても時間のかかってしまうケースもあります。
実際、業者の技量も方法も様々で、塗装に関しても「ぼかし」で済ませる人もいれば、「全塗装」までしっかりとやる業者もいるようです。
そして最も重要なのがサフェーサー処理、この工程での処理で手抜きをすると、補修箇所が浮いて見えたり、塗装がうまく乗らないケースもあるので、業者選びには気を付けましょう。
(気を付けようがない!?)
業者の選定の目安として、リペア後の保証が付いているところであれば、まず大丈夫でしょう。
日産では6ヶ月の保証が付いています。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
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