あなたは普段、タイヤの空気圧やタイヤの摩耗具合をどのくらい気にしていますか?
運行前点検では義務付けられていますが、タイヤの空気圧チェックは、ツールが無いと毎日点検は難しいですよね?
ただ、タイヤの摩耗具合は、目視でも行うことができます。
摩耗したタイヤは危険とよく言われますが、その危険性とはどのようなものなのでしょうか?
結論から申し上げますと「タイヤの山が減った溝の少ない摩耗タイヤは、本当に止まれず危険です。」
今回はそんなタイヤの制動(ブレーキ)の体感ができる【ドライブシミュレーター体験】をしてきたためレビューさせて頂きます。

この記事を読むことによって、クルマのタイヤの大切さを知ること、タイヤの寿命を伸ばすコツが学べます。

ドライブシミュレーター体験
付き合いのある日産のディーラーの担当者から
「ドライブシミュレーター体験の無料体験カーが来るので、是非体験してみませんか?」
とのお誘いを頂きました。
よく聞くと東洋タイヤさんが主催の体験イベント!
興味があったので参加してきました。

どんな体験が出来るの?
ドライブシミュレーター体験は「体験カー」による

日本初の試みである【移動型タイヤ安全啓発活動】とのこと
教習所やゲームセンターで見たことのあるような、運転席を再現したコックピットに大型モニターによるドライブシミュレーター体験ができます。

体験は無料で、普通免許証を持った18歳以上が条件
子供が体験してもよさそうですがダメみたいです・・・
ステージが4つに構成されており
- 雨の日の制動(ブレーキ)距離の違い
- 空気圧の違いによる操作安全性の違い
- ハイドロプレーニング現象の体験
- 雨の日のコーナリング性能の違い
最後に突然のバースト体験もさせてもらえます。
このような体験が順を追って体感できます。
各ステージ2つのパターンでの走行やブレーキを体感できます。
- 新品タイヤの8mmという溝の深さがある状態。
- スリップサインが出ている1.6mmという溝の深さでの摩耗状態。

STAGE1では
雨の日の制動距離の違いはアクセル全開で加速してからブレーキ地点での急ブレーキをかけるシュミレーションです。
ABSが作動し「ゴトゴト」音を立てながら止まりなかなかリアルです。
タイヤの種類によって制動距離は変わるので何メートルという表示はできませんが、ポールが5本分と4本分という違いになりました。
当然5本分のポールが摩耗したタイヤでの制動距離となります。

STAGE2では
空気圧の違いによる操作安全性の違いではスラロームを行っていきます。
空気圧の少ないタイヤではヨレてスピードを上げるほどコントロール不能になります。
対して適正空気圧では全開状態(60km/h)でもスラロームが可能でした。

STAGE3
ハイドロプレーニング現象の体験
山の減った摩耗タイヤではタイヤの横溝が無いので適正な水はけがでず、タイヤと路面の間にミクロ単位の水の膜が出来てしまうのです。
水膜によって車体は浮いてしまいます。
そのためタイヤは本来のグリップ力を発揮できなくなり、滑ってしまうという状況になります。
ハイドロプレーニング現象は高速道路などで速度によって起こりうる現象ですが、タイヤが摩耗していると速度に関係なく起こりうる現象となってしまうのです。
タイヤの溝が4mm以下になったら、雨の日は特に注意が必要という意識を持ちましょう。


バーストの体験談
STAGE4では
雨の日のコーナリングの違いを体験しました。
やはり雨の日のコーナーは制御が利かず車体は大きく膨らみ、曲がり切れなくなることを体感しました。

最後に突然のバースト体験をさせてもらいましましたが、バーストもコントロール不能に陥ります。
これは実は私も高速道路で一度経験しました。
その時の状況を詳しくご説明します。
当時、職場のトラックを高速で運転中の出来事です。
走行車線を走っていると突然ハンドルがガタガタとブレはじめたので、おかしいと思って路肩に寄せようと減速した所で大きな破裂音がして、タイヤが突然のバースト。
2tトラックでの右の前タイヤのパンクだったので、ハンドルが利かず本当にコントロール不能に陥りました。
しかし既に減速していたため、なんとか停止し路肩に寄せて停車することができました。
「減速せずに高速で走り続けてたと思うとゾッとします。」
渋滞も無く走っているクルマが少なかったので、急な停車でも追突されるといったことはありませんでした。
さらに幸いなことに、たまたま後ろに道路パトロールの方が走っていました。

「運転手さん誘導は我々がしているので、ご自身でスペアタイヤ交換お願いします。」
自身が道路にはみ出さないようトラックを少し斜めに停車させ、荷台を道路側に出っ張らせた状態で作業するよう指示を受けました。
こうすれば万が一すれすれに通り過ぎたり接触があっても、自分自身がクルマの内側にいるので守れるとのこと。
一人の時はこのやり方が必須です。
しかし実際は道路パトロールの方が二人でパイロンを立て、交通誘導もして下さったので安心してタイヤ交換作業をすることができました。
日々活動をされている道路パトロールの方には本当に感謝です。
作業をしていると自分は止まっているので、クルマが猛スピードで通り抜けていきます。
その風圧に恐怖すら感じます・・・
高速道路でのタイヤ交換は、本当に危険と隣り合わせです。
トラックはユニック車の2tトラックだったので、ジャッキは使わず脚を出すことにより前輪を上げスペアタイヤへ交換しました。

気が動転している私に、道路パトロールの方が提案してくれた方法です。
「このトラックはユニック車だから右足だけ出せば、簡単にタイヤが上がりますよ!」

こうして無事タイヤ交換を終わらせ、事なきを得て無事帰社しました。
後日、タイヤ屋さんにバーストしたタイヤの交換作業の依頼をしました。
話を伺った所、タイヤの空気圧の点検を怠った結果だったようです。
反省ですね・・・
タイヤのバースト(破裂)ではパンク修理キットは役に立ちません。
最近のクルマはスペアタイヤを積んでいないケースも多く、このような突然のバーストには対応できないのです。
そんな時はJAFを呼ぶと良いでしょう。

会員であればパンク修理やタイヤ貸出(適合が合えば)、近くのタイヤ屋さんまでのレッカー等の対応をしてもらえます。

タイヤを長持ちさせるコツ
タイヤを長持ちさせる運転のコツは
空気圧を適正に保つ

タイヤは何もしなくても1ヵ月で5%空気が減ります。
空気圧の少ないタイヤは転がり抵抗が大きく発熱しやすい。
適切な空気圧を保つことが重要で、適切な空気圧ではタイヤの偏摩耗も防ぎます。

タイヤのバランス調整の重要性
タイヤのバランスが悪いと、各タイヤの偏摩耗が進みます。
定期的なローテーションを行うことによって、寿命を伸ばすことができます。
タイヤの種類によってローテーション方法は異なりますが、前後左右、場合によってはクロスと入れ替えを行います。
スピードや急の付く運転を控える
スピードが速いとタイヤにかかる負担が大きくなります。
また、急ブレーキや急発進もタイヤの摩耗を早めます。
山道などのワインディングでは、きちんと減速してからコーナーを曲がっていかないとタイヤの負担がかかってしまいます。

教習所で最初に教わった「スローインファーストアウト」つまりゆっくり進入してコーナー出口では加速して出ていくタイヤに負担を掛けない走行が、タイヤを長持ちさせる運転のコツです。
タイヤの寿命について
タイヤの寿命については使用の状況やタイヤメーカー、モデル、タイヤの種類によって異なります。
タイヤの摩耗が一つの判断材料で、タイヤの溝の深さが2mmになった時点で限界と考えた方が良いでしょう。
タイヤ溝の深さが1.6mmでスリップサインが表れます。

それだけでなくタイヤはゴムでできています。
ゴムは時間の経過とともに硬化し、劣化します。
タイヤ表面にひび割れやサイドウォールにクラックが入っている場合は、タイヤの溝が十分に残っていたとしても交換時期です。
つまり走行距離が少なくても、このような硬化が起きるので4年~6年がタイヤの寿命とされています。

タイヤの製造年月について
タイヤのサイドウォールに印刷された4桁の数字がそれを表しています。
例えば1121と番号があったとしましょう。

最後の下2けたは製造年を指し21なら2021年製造であり、最初の2けた11は製造週つまり1月から数え11週目に製造されたという意味になります。
2021年3月頃製造されたタイヤとなります。

タイヤの交換時期と溝の深さの関係は?
タイヤの寿命と、タイヤの交換時期は異なります。
新品のタイヤは8mmの溝の深さがあります。
シミュレーションで体験した1.6mmはスリップサインが出ている状態で、著しく性能が低下しています。
実際このようなタイヤで走ることは非常に危険。

実際はメーカーやディーラーでは、4mmが交換の目安として推奨しています。
タイヤの溝が4mm以下となった所で、水はけの性能が落ちてくるので、最初は雨天時の制動距離が伸び、だんだんとタイヤの性能の低下が体感できるほど顕著に表れてきます。
点検や車検時に必ずタイヤの溝の深さは測ってくれています。

その数字を参考に交換の目安としていくと良いでしょう。
間違えてもタイヤの寿命と言われる2mm以下まで使おうとは、考えないでください。
実際に残り溝が2mm以下のタイヤでは正常に止まりません。
制動距離が伸びるので本当に危険です。
場合によってそのままスリップしてコントロール不能になり、衝突する危険性もあるからです。

まとめ
いかがだったでしょうか?
スリップサインが出ているタイヤは非常に危険です。
山の無くなったタイヤは水はけが悪く、雨の日の制動距離が伸びてしまうからです。
実際はこのような状況になってからでは遅く、目安としてタイヤの溝の深さが4mmを以下になったら交換時期です。
おおよその走行距離にすると15000㎞前後といったとこでしょうか?

しかしこの距離は、タイヤを長持ちさせるコツを実践することによって伸ばすことが可能。
そして1ヵ月に5%空気圧が落ちるということを理解した上で、月に1度は空気圧の点検をしましょう。

空気圧の点検は、ガソリンスタンドによっては、サービスで点検や調整をしてくれるところもあります。

空気圧をチェックする習慣があれば、ひび割れ等の異変に気付く「きっかけ」になります。
今回ご説明したコツを実践し守ることで、タイヤの寿命を伸ばすことも可能。
とはいえタイヤはゴム製品、溝が残っていても経年劣化によるひび割れの発生もあります。
定期的にタイヤの状況をチェックし、必要に応じて交換していくことが大切です。
そして安心で安全なカーライフ、バンライフをしていきましょう。
最後まで読んで下さりありがとうございました。

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